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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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進化と挑戦を止めない。それが業界トップ企業の責任

株式会社塚谷刃物製作所 代表取締役社長 安井 太久也 氏

株式会社塚谷刃物製作所
代表取締役社長 安井 太久也 氏

会社名株式会社塚谷刃物製作所
住所大阪府八尾市楠根町5-30
電話番号072-996-8770
企業HPhttps://www.tsukatani-hamono.co.jp/
代表者名代表取締役社長 安井 太久也 氏
設立1960 年
事業内容コンピュータ用紙印刷用ミシン刃、紙器打抜トムソン刃、シール・ラベル・フィルム打抜用エッチング刃等の工業用特殊刃物および機械・部品の製造・販売

トムソン刃・ビジネスフォーム刃・ピナクルダイの3本柱で国内トップシェアを堅持

上/木型にはめ込んで使用するトムソン刃。
下/切り口が鋭利にならないよう波状に加工されたダンボール用の刃。

伝票などにパンチ穴やミシン目をつけるビジネスフォーム刃。

私たちの身の回りには、紙やプラスチック、フィルムなどを切ったり型抜きしたりして作られている製品が多数ある。その切ったり型抜きしたりするための工業用特殊刃物を製造しているのが、株式会社塚谷刃物製作所だ。主要製品は3つある。
創業当時から手掛けるトムソン刃は、ダンボールや紙パッケージを型通りに打ち抜くための刃。打ち抜きたい形に合わせてベニヤ板にレーザーで溝を加工し、そこへ同社の刃を挿入して、プレス機などで素材を切り抜いていく。高い精度を叶える技術と特殊な設備を必要とすることから、国内シェアは60%をキープしている。
続くビジネスフォーム刃は、各種伝票にパンチ穴をあけたり、切り取りミシン目を入れるための刃。こちらもシェア90%という圧倒的な数字を誇り、同社の送りピッチが国の規格として採用されている。
そして1995年から製造を開始したのが、シールやラベルを切るためのフレキシブルピナクルダイだ。シールやラベルは、ハーフカットといって上のシール層の部分だけを切り抜く必要がある。もともとはこれもトムソン刃を使った木型で行っていたが、1990年にある印刷会社からの問い合わせがきっかけで薄い鉄板にエッチング加工して型をつくるという製品があることを知り、アメリカの会社から製品を輸入することになった。その後、日本の機械メーカーとタイアップして、エッチングした型に刃付け作業を施すという独自製法を日本で初めて開発することに成功した。
薄い金型ならシリンダーに巻きつけて輪転加工ができるため、金型を変えるだけで様々な型抜きに対応できる。しかも、形の精密さ、ハーフカットにおいて重要な刃の高さ精度も抜群にいい。こうしたことから同社のピナクルダイはシール、携帯電話の液晶フィルムなどにも需要が広がり、シェア80%を獲得している。
「うちの強みは、独自開発したピナクルダイ専用機を多数導入し、短納期を実現していること。加えて、プログラムやエッチングにも工夫を重ね、機械メーカーさんの協力も得てよりよい製品を生み出すために進化を続けることで、シェアの維持に努めています」と、代表取締役社長の安井太久也氏は自信をのぞかせる。

独自製法のピナクルダイ。平圧タイプはアルミやマグネットプレートに、輪転タイプはマグネットシリンダーに取り付けて使用する。

日本製ならではの高い品質を武器に世界へ

軟包装材を切るための刃を新たに開発。

製品作りにおいて日々進化していくための努力を続ける一方で、新しい事業展開も推進している。その1つが、製袋用パンチの製造だ。ビジネスフォーム刃を製造する機械を活用して、近年はシャンプーや洗剤の詰め替え用レフィルなどに使われる軟包装材を切るための、より精度の高い刃の製造に取り組んでいる。「ビジネスフォームは需要がある限り続けていかなくてはならないが、ペーパーレス化が進めば確実に減っていくことが予測される。それに代わるものとして、今後は製袋用刃の製造を伸ばしていきたい」と安井氏は語る。
見据える先は、国内だけでなく世界市場。「日本製ならではの品質は海外でも必ずニーズがあるはず」と、トムソン刃やピナクルダイの海外展開も積極的に推進していく考えだ。展示会やホームページを通じて、すでに「TSUKATANI」ブランドの名は知れ渡りつつあり、なかでもピナクルダイはアメリカからの注文が増えてきている。薄い金属製で航空輸送が可能なことも、海外展開する上では強みになっている。
現在、ピナクルダイの製造・販売拠点を韓国に、トムソン刃の製造・販売拠点をタイに設置。さらなるネットワークの拡大を図っている。

左が韓国、右がタイの現地法人。

「我々の進化が社会貢献になる」その共通意識のもと、挑戦は続く

「高いシェアをいただいているからこそ、よりよいものづくりを追求していかなくてはいけない」。安井氏のその思いは、社員にも浸透している。各部門ではベテランの職人を中心とした技術継承、よりよい製品を作るための目標設定や意見交換、職場の安全や効率化への取り組みなどが自主的に行われている。最近はそれぞれの工場長が集まってミーティングを行うなど、部署を超えた情報交換もなされるようになった。「現場でのこうした取り組みによって、残業時間が減ったり、5年前は7%だったリメイク目標も今や1%未満になるなど、私も驚くほどの効果をあげてくれています。横のつながりも広がっていけば、いい刺激となってさらなるシナジー効果が生まれるのではないでしょうか」(安井氏)。
仕事の効率が上がって一人ひとりに時間の余裕ができれば、また新しいことを考えたり試したりすることも可能になる。そのために、会社としてはロボット化を推進。本社社屋の隣には新たな工場を作り、様々なことにチャレンジできるスペースも確保した。
「当社の製品は、ものをつくるための1つのアイテムです。シェアが高いということは、それだけ当社の製品を使っていただいているものづくり企業が多いということ。うちの技術が上がれば、それを使って生み出される製品の質がよくなり、みんなが幸せになる。それこそが、当社にできる社会貢献です。海外を視野に入れたときも、世界の人たちに『やっぱり日本製はいい』と思っていただくためには、私たちの製品が世界一でなくてはいけない。社員みんながその意識を持ってチャレンジしてくれているので、今後がますます楽しみです」。
塚谷刃物製作所はトップシェアの誇りを胸に、これからも止まることなく進化を続けていく。

左/意見交換や技術革新に向けた取り組みも活発に行われている。
右/本社社屋の隣には新工場を建設予定。

MOBIO担当者より

メイドインジャパンの品質で国内外市場に貢献されているのは、製品を安定供給できる設備投資、長年培われた技術を次世代スタッフ繋ぐ技術伝承。
紙製品、フィルムなどをカットする工業用刃物で、国内トップシェアに安住することなく、海外市場にも使用される方々の声や笑顔を糧に、社員とともに100年企業を目指されている安井社長様のお話をうかがいました。
MOBIO村井

2022年12月2日(金) ライター:成田知子

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