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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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オーミヤブランドの最終製品づくりに挑戦

株式会社オーミヤ 代表取締役社長 道野 弘樹 氏

株式会社オーミヤ
代表取締役社長 道野 弘樹 氏

会社名株式会社オーミヤ
住所〒578-0921 大阪府東大阪市水走3-5-10
電話番号072-962-3661
代表者名代表取締役社長 道野 弘樹 氏
設立1958年(昭和33年)
事業内容給排水機材製造販売・農事用噴霧機ノズル・農事機器製造販売

社長就任後、社内のIT化を推進

▲製造現場の改善事例をわかりやすくレポートしている掲示板。濃い情報内容で社員のモチベーションアップに貢献している

砲金・真鍮の金属加工を得意とするオーミヤは、給排水機材の製造・販売を主力事業として創業、2001年に農事用噴霧機ノズルの製造にも乗り出し、業容を拡大させてきた。
2011年には、大阪府より「経営革新計画」の承認を受けるなど、順風満帆の経営を続けていたのだが、2014年5月に先代社長が57歳の若さで急逝。アウトドア製品の製造販売企業に就職していた長男の道野氏が急遽、新社長に就任することになった。

「本当は今年オーミヤに入社して、数年かけて父から仕事を教わる予定だったのですが、突然の悲報でした。悲しんでいる暇もないほど慌ただしい日々の中で、専務をはじめとするベテラン社員に助けてもらいながら、なんとか社長業をこなしてきたというのが実感です」

それだけに道野氏にとっては、社長就任から現在までの半年余りの時間は、「変革と挑戦」の連続であった。
「3年間勤めていた会社はベンチャー的な企業で、社内のIT化が進んでいましたが、オーミヤは書類や掲示板、FAXなどが中心で、昭和に戻ったような格差を感じました。そこでまず、最初の仕事として取り組んだのが、IT化の推進でした」
幹部会議では、「無理やり変えなくてもいいのでは」との意見もあったが、道野氏は「躊躇しているだけでは何も変わらない」とIT化を断行。オフィススタッフ全員にパソコンを支給し、グループウェアも全員に共有させ、社内連絡事項は積極的にメールでやりとりするようにした。また、次年度の取り組みとして、タブレット端末を持って営業する社員のために、自社ホームページがカタログ代わりになるようにコンテンツの拡充も行う予定だ。

一方で、ものづくりの現場では、掲示板による情報共有が不可欠であることを実感した道野氏は、「残すものは残して、改良していこう」と、職場環境の改善にも取り組んでいる。
「掲示板の数を3面に増やして内容を密にし、全社的な情報共有を強化してきました。大切なのは、社員が気持よく働ける環境を整備することですから」

微細な霧で冷やす屋外冷房装置「クールビーム」がヒットの兆し

▲屋外冷房装置「クールビーム」

▲22年前、先代が独自開発した専用機。平面的な回転だけで6工程をこなすアイデアが斬新。今も現役でバリバリ活躍している働き者だ

道野氏が今、戦略商品として力を入れているのが、4年前に開発した屋外冷房装置の「クールビーム」である。農事用噴霧機ノズルの技術を利用し、20~30ミクロンの微細な霧を扇風機の風で噴霧して、周辺の体感温度を2℃から4℃下げる手軽な屋外冷房装置だ。微細な霧は空気中で気化して熱を奪うので、路面を濡らすこともない。

ランニングコストが1時間当たりわずか5円と格安な上、熱中症対策に最適ということで、今夏は東大阪市に4カ所ある子育て支援センターでも採用され、児童や母親たちからも好評を得ている。評判を聞きつけた読売新聞が報道するなど、注目度も高い。

20リットルのタンクが付いた可搬型の「クールビーム・コロコロBOX」は、どこでも冷房運転ができる上、セット価格が18万円と、競合製品のなかでも価格競争力が高い。

「クールビームのような最終製品をもっと増やして、”部品屋”から脱皮していこうと考えています。そのためにこの10月に開発部を新設し、図面作製ができる技術者を2名専任して、新製品開発に乗り出したところです。手始めに、コロコロBOXをスタイリッシュにデザインした一体型商品を企画中です」

道野氏のこうした創意工夫の精神は、先代譲り。22年前に先代社長は、水道用のL字型継ぎ手配管部品を量産するため、6工程が一気にできる専用機を独自開発し、同業他社を圧倒する製造コストの削減に成功した。今でいう多軸自動盤の機能を持つ設備を、20年以上前に自社開発しているのだから、すごいアイデアマンだったようだ。

農機具の新たな販路として、ネット販売にも取り組む

▲完成した給排水機材の検品風景。商社や問屋向けのカタログ販売を主体に、同社の売上の65%を稼いでいる

▲工場で製造されている給排水機材

自社製品の開発に意欲を見せる道野氏は、新たな販路開拓にも余念がない。最近では、農機具をネット販売する取り組みも始めた。

「農業用噴霧器は、1度購入すると同じ機種を使い続けるので、ノズルなどパーツのリピート率が高い。これまで農協などに注文していた部品を、ネットで手軽に注文できるようになれば、農家さんにとっても利便性が高まります。これからは農村部こそ、ネット販売の時代だと思います」

10月に開催された「大阪勧業展2014」に出展した際も、クールビームの展示を中心に営業を行い、約70社が興味を示してくれた。
「工場、工事現場、クリーニング、農園、ハウス栽培業者など、噴霧冷房にマッチした仕事場に営業をかけていき、屋外冷房事業の売上を、全体の20%くらいにまで高めていくのが当面の目標です」

「ユーザーに手に取ってもらえる製品をもっと開発していきたい」と将来的なビジョンを語る道野氏は、当面は、同社の強みである”霧の技術”を使った商品の開発に取り組む考えだ。

「オーミヤブランドの最終製品をもっと開発して、客先から声をかけてもらえるような、メディアにも注目されるような会社にしていきたいと考えています。そうなれば、社員のモチベーションも上がりますし、新卒の優秀な人材が集まるようになります。そのためにも、着実に力をつけていこうと思います」

1988年生まれの若きトップが率いるオーミヤの、新たなる挑戦に期待したい。

MOBIO担当者より

IT化の推進、開発部の新設、ネット販売など次々と挑戦中の若きリーダー。ぜひネットワークづくりにMOBIOを活用いただきたいものです。 (奥田)

取材日:2014年12月10日(水) ライター:三浪 伸夫

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