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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業およびインキュベートルームの入居企業の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!
※出展終了およびインキュベートルームから退居した企業の記事は掲載しておりません。

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たゆまぬチャレンジ精神で「できない」を「できる」に

株式会社若林精機工業 代表取締役 若林 繁正 氏

株式会社若林精機工業
代表取締役 若林 繁正 氏

会社名株式会社若林精機工業
住所大阪府豊中市三国2-4-6
電話番号06-6333-4801
代表者名代表取締役 若林 繁正 氏
設立1979年
事業内容医療機器用樹脂および非鉄金属部材の精密加工、機器ユニットの組立

品質管理体制づくりに組織で取り組み、ISO9001 の認証取得

全社一丸となって社内改善に取り組み品質管理を徹底

医療機器の部材供給を中心に、樹脂および非鉄金属の加工を行う株式会社若林精機工業の『変革と挑戦』。
「そのプロローグは、父が社長だった1990年代から始まっている」と、三代目社長・若林繁正氏は言う。
当時は、ヨーロッパから入ってきたISO認証制度が世界的に普及し始めた時代。同社でも品質マネジメントシステムの規格であるISO9001の認証取得に乗り出した。しかも、外部アドバイザーに任せたのでは身にならないと、すべて自社で取り組むことに。それによって、様々な問題点や意識改革の必要性が浮き彫りとなった。
決められたルールをいかに守るか、これまでの非効率なやり方をどう改善していくか、品物の入った箱に貼るラベル1つにしても何を書き込むべきか等、PDCA(計画・実行・評価・改善)の繰り返し。その頃はまだ現場にいた繁正氏であったが、「この取り組みによって、いまや品質とは精度や納期だけではない、全体的な管理体制の仕組みまで求められる時代だということが現場にかなり浸透した。組織で取り組むことの重要性を、私を含めみんなが認識するようになったんです」と振り返る。

最終の品質チェック

技術力を高めるために必要なのは努力と人間力

先代が唱えた経営理念にわかりやすい副文を付けて掲示

難しい部品の製作にも諦めずチャレンジする

父の跡を継ぐべく経営の勉強を深めていった繁正氏は、「人を大事にしなさい」という先代の教えを胸に、「組織で取り組むには“人を育てる”という概念が必要」と気づく。そこで、これまではやっていなかった朝礼、全体清掃、社内勉強会などを新たに実施。2012年に社長に就任してからは、毎年の経営計画を作成し、年度方針として発表することで社員の意識統一を図った。
また、先代が唱えた『努力で生み出す技術力技術で出来る社会貢献』という経営理念を、よりわかりやすくするための副文を作成。日々勉強、日々挑戦、「なら、どうする」を追求することが『努力』、その努力に人間力を加えたものが『技術力』と定義づけた。そこには「できることをやるのが努力ではない。できないことをできるようにするのが努力。他社が嫌がる仕事でも、トライ&エラーを繰り返しながら挑戦し続け、不可能を可能にすればお客さんに認めてもらえる。そのためにはお客さんを思いやる気持ち、素直にやってみる謙虚さといった人間力が不可欠」との意味が込められている。
この経営理念どおり、同社では「できる」という確証がない品物でも、「どこもやらないならチャレンジさせてください」と採算度外しで試作を申し出ることもあるという。ある時は、技術力が足りず断らざるを得なかった仕事に、業務の合間を見て社内でチャレンジし、取引に関係なく「あの時の品物、できるようになりました」と報告に行った例もあると言う。「技術とはチャレンジ精神。できなかったことも努力してできるようになれば、『あそこは技術力がある』と見なされる。やったもん勝ちなんです」と繁正氏。
経営理念をわかりやすくしたことで、社員一人ひとりが会社のビジョンを明確に理解し、外部に対しても「早く作ります」「安く作ります」ではなく、「我々はこういう思いでものづくりをしています」というアピールができるようになったことも大きな成果だ。その結果、他社が断った案件も「一度、若林さんに相談してみよう」と言ってもらえたり、実際に取引につながった事例もあるなど、同社のものづくりへの姿勢は確実に評価されている。

人の役に立つ、まだ世の中にないものを生み出したい

きれいに整理整頓された工場で、多品種・小ロットのものづくり

「量産品ではなく、多品種・小ロットを手がける」というのも、同社のポリシーの1つだ。家電、車、オートバイといった日本の基幹産業は、量産が必要であるが故、すべて中国へと仕事が流れ、国内の製造業の空洞化を招いた。それを教訓に、先代の時から「量産品は追いかけない」という方針を貫いている。「数が必要なものを作るには、それなりの設備や生産体制や技術も必要。中小企業ではその点が弱みでもあります。だけど、それを逆に強みととらえ、他社が敬遠するような特殊な仕事を引き受けたり、試作から相談に乗って一緒に作っていくことで、品質を追求しつつお客さんの要望に応えられるものを提供していきたい」と繁正氏は語る。

さらに、今後は言われたものを作るだけでなく、自分たちで考えたものを形にするのが目標。それを具現化する第一歩として、2019年には「匠委員会」を立ち上げ活動をスタートさせた。事業部ではなく委員会活動にしたのは、通常の業務を維持しつつ新しいことに取り組める体制とし、従来の生産部や営業部といった縦割りの組織ではなく、もっとフランクに意見を出し合える場にするため。構成員も極力、職責の付いていない社員を選出し、上からは口出しせず自由な活動を尊重している。
「今はまだ具現化していない状態です。でも、ものづくりには、まだ世の中にないものを形にして、人の役に立ち、暮らしを豊かにするという使命がある。それがたとえ100人ほどの集落を助けるだけのものであったとしても、そんなものづくりができたら作り手としてはとてもワクワクするし、社員たちのモチベーションも高まると思うんです」(繁正氏)。
努力と人間力を武器にした若林精機工業のチャレンジは、これからまだまだ続いていく。

「匠委員会」のメンバー

MOBIO担当者より

パンデミック、高齢人口の増大などヘルスケア機器市場は拡大の一方。新技術が求められるそれら業界に、切削、成形、組立の一貫サービスにより「困りごと解決工場」として事業展開をされている若林社長。「人間力+努力=技術」「ないものつくりへの絶え間ないチャレンジ」という企業風土作りを通して、品質や精度のさらなる高度化を積極推進中。委員会制度などから、どのような「ワクワクするもの」が生まれ、新たな課題解決の技が創られるか注目されます。
(MOBIO・兒玉)

2020年12月22日(火) ライター:成田知子

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