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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業およびインキュベートルームの入居企業の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!
※出展終了およびインキュベートルームから退居した企業の記事は掲載しておりません。

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市場開拓力でウォーム減速機市場のトップを快走

株式会社マキシンコー 代表取締役社長 牧村 順二 氏

株式会社マキシンコー
代表取締役社長 牧村 順二 氏

会社名株式会社マキシンコー
住所〒 542-0012 大阪市中央区谷町7丁目3-4-206
電話番号06-6763-5471
代表者名代表取締役社長 牧村 順二 氏
設立1963年(昭和38年)/創業1940年(昭和15年)
事業内容ウォーム減速機、ウォームジャッキ、その他各種変減速機

創業73年、国産ウォーム減速機の草分け

ウォーム減速機

2013年10月に会社設立50周年を迎えた株式会社マキシンコーは、大阪西区で創業して以来73年の歴史を持つ、年商35億円の名門企業だ。同社の代名詞ともいえる主力商品が、売上のほぼ半分を占める「ウォーム減速機」である。

減速機とは、歯車などで動力の回転速度を減じて、トルクとして出力する機械装置のことで、自転車のギア変速機もその一種。一方、ウォーム減速機の機構は、ギターなど弦楽器の糸巻き部分を思い浮かべるとわかりやすい。横回転の歯車に縦棒回転の歯車を組み合わせたもので、1段で大きな減速比が得られ、歯車が飛ぶようなトラブルも少ないため、自動車、船舶、建機、医療機器、プラントなど多種多様な分野で使われている。3代目社長の牧村氏は、「外国製のウォーム減速機しかなかった時代に、見よう見真似で製造開発に乗り出したのが創業者である私の父です」と説明する。

「もともと築港の大型船を解体した時に出てくる各種の歯車を仕入れて、店頭で陳列販売をする中古歯車販売業を営んでいたのですが、ある時、欧州製のウォーム減速機を見た父が、『これ、国産でできたら売れるんちゃう?』と思いついて製造に乗り出したと聞いています。そういう意味では、国産ウォーム減速機の草分けといえます」

需要ある限り、どんな難しい注文にも“背中は見せない”がモットー

同社の主力製品は、ウォーム減速機(販売比率51%)、ウォームジャッキ(同24%)、回転棚(同13%)の3本柱。中核商品であるウォーム減速機では、大手競合企業に伍して業界トップクラスの市場シェアを分けあっている。「うちの持ち味は、大企業が手をつけたがらない特注品を短納期で対応できる機動力」と牧村氏は説明する。その言葉通り、同社が取り組んできた「変革と挑戦」のひとつは、この“短納期”の体制づくりにある。サイズ変更などのきめ細かい注文に対応しながら、規格品を購入するのと変わらないような納期で顧客に届けられるのが同社の強みだ。

「ウォーム減速機は成熟市場で、年間80億円程度の売上しかないニッチな市場です。うちはその市場でもさらにニッチな、特注品市場に特化しているのが特長。『軸の長さをあと何ミリ短くして』といった細かい注文にも、営業と製造が一体になって即応します。そのために四條畷工場を特注品製造拠点として整備してきました」

同社のもうひとつの「変革と挑戦」は、新規市場の開拓。社長を筆頭とする営業スタッフが、常に可能性のありそうな市場分野を模索し、「この業界なら減速機が売れるのでは?」と発案したら、業界に詳しい先生を招いて、営業スタッフ全員で勉強会を実施。知識を修得したら、あとは物怖じすることなく飛び込み営業をかけていく。社長譲りの愛嬌と才知で相手の懐に飛び込んでいく、大阪商人らしいポジティブな商売センスが、社風として受け継がれている。

従業員202名のうち4分の1を占める営業部隊の機動力も、並の中小企業にはない大きな強みだ。それでも、「まるっきり知らない市場向けに商品を売り込む時は、いつも冷や汗もの。綱渡りの連続です」と牧村氏は苦笑する。

「船舶市場を開拓しようと、船のハッチカバー用減速機を錆びないアルミ製でつくって納品したところ、海水による電解腐食でぼろぼろに。お客様からは『常識やろ!』と一喝されて平謝り。そういうお叱りにもめげず、何がなんでもという強い気持ちで新規市場の開拓をやり遂げてきました。そこに需要がある限り、どんなに難しい注文にも“背中は見せない”のがマキシンコー魂です」

「新規市場開拓」による顧客の分散で、不況に強い強靭な企業体質に

積極的な市場開拓を続けてきたおかげで、創業当初はコンベア関係しかなかった顧客市場は次々に広がり、今では建機、舞台・遊具、食品、医療、計測、通信、IT関連、住宅、太陽光発電など多士済済な顧客層が居並ぶ。身近なところでは回転寿司、壮大なところでは宇宙ロケットの移送装置などにも、同社の“ギアテクノロジー”は活躍している。自動車などひとつの産業分野に依存するのではなく、販売先がうまく分散しているので、不況時でも売上が大きく落ち込まないという経営上の強みにもなっている。

そういった市場ニーズの先取り商品として、現在同社では、ものづくり中小企業向けの「試作開発等支援補助金」を活用して、アルミダイキャスト製の軽量な減速機を研究開発している。強度テストで信頼できるものが完成すれば、軽量な減速機を必要とする分野に販路が広がるはずである。地道な営業活動だけでなく、こうした技術開発面での取り組みにも抜かりはない。

牧村氏にとって、会社の変革という意味で最も印象に残っているのは、「ISO 9001の取得による社員の意識改革」だという。バブル経済後の低迷期、会社が生まれ変わらないと生き残れないと危機感を持った牧村氏は、ISOの取得を宣言。社員の頑張りのおかげで、約1年半かけて、認証取得にこぎつけた。

「特に効果が現れたのは顧客からのクレームの減少でした。それまでは、今月は多い・少ないといった感覚的なとらえ方しかしていなかったクレーム数を、定量的なデータで管理するようになり、毎年30%ずつ削減していこうという目標を定めました。効果は絶大で、今では取り組み開始当初の10分の1程度にまで、クレーム数を減らすことに成功しました」

クレームが激減したとはいえ、納品した製品に何かあれば、「呼んだらすぐに駆けつけるマキシンコー」という顧客本位の姿勢を、昔も今も変わらず大切にしている。

「たとえクレームでも、叱っていただけるうちが花。顧客の声に潜在する市場ニーズをいち早くくみ取り、新たな商品開発へとつなげていく商機ととらえて、これからも足繁くお客様のもとへ顔を出すマキシンコーらしさを大切にしていきます」

MOBIO担当者より

より静かに、よりスムースに、より効率よくと、時代の搬送ニーズは進化。それに対応し、医療から回転寿司まで多くの機器に活かされているのが(株)マキシンコー様のギア技術。市場ニーズ開拓へ挑戦し続けておられる牧村社長の「マキシンコー魂」から生み出されていました。 (兒玉)

取材日:2013年12月2日(月) ライター:三浪伸夫

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