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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業およびインキュベートルームの入居企業の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!
※出展終了およびインキュベートルームから退居した企業の記事は掲載しておりません。

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ニーズの一歩先にある「感動」を創造したい!

株式会社ロブテックス 代表取締役 地引 俊爲 氏

株式会社ロブテックス
代表取締役 地引 俊爲 氏

会社名株式会社ロブテックス
住所〒579-8053 大阪府東大阪市四条町12-8
電話番号072-980-1111
代表者名代表取締役 地引 俊爲 氏
設立1923年(大正12年) / 創業 1888年(明治21年)
事業内容作業工具、電設工具、切削工具
ファスナー&ファスニングツール

「手の代わり」と考えて工具の枠を超える

ハイブリッドモンキレンチX
“プレミアムシリーズ”

工場や建築現場の工員や職人が使う工具の製造・販売を行う株式会社ロブテックス。もともとは理髪用バリカンの製造からスタートし、120年以上の歴史を刻む中でプロユース工具の製造や販売を行うようになった。

「理髪用バリカンで起業後、モンキレンチの製造をきっかけに工具業界に進出しました。そこから作業工具や省力工具、ダイヤモンド工具、配管工具などの工具全般をカバーするようになり『ロブスター』ブランドを確立しました」 と語るのは、7代目となる代表取締役の地引俊爲氏。

「私の考えでは、当社の事業領域は『手の代わりとなるもの』を生み出すこと。工具だけではなく、他の道具を作ることもあり得るかもしれません。そう考えるのは、ロブテックスという会社の枠を広く持つことで、世の中の動きに柔軟に対応できる会社でありたいと考えているからです」

現在の工具市場は中国製が席巻しているが、ロブテックスはMade in Japanを掲げて勝負している。
「当社の商品を使うのは世界中のプロフェッショナルの職人や工員。違いがわかるプロのニーズに応えられる高品質や高機能、高い信頼性が強みです」

ニーズの一歩先を提供し「感動」を創造する!

ロブテックスの主力商品のひとつがリベッターで、昨年12月にはエアーリベッターの、今年9月にはコードレスリベッターの新製品を発売した。最新式エアーリベッターの形状は1960年代に発売した商品とほとんど同じだが、当時に比べて軽量化はもちろん動力もエア(圧縮空気)から電気、さらには電池式へと進化するなど、機能は時代を経て格段に進化している。


「リベッターはヨーロッパが主要な市場のため、省エネに対するニーズが大変強く、よりムダが少ない動力でリベットを打ち込みたいというニーズが高まっています。最新機種の最大のセールスポイントもエネルギーロスが少ない電池式であることと、少ないエネルギーでより多くのリベットを打てる省エネなんですよ」

お客様に喜んでもらい、継続して使っていただける商品づくりの根源はどこにあるのか。

「お客様のニーズを実現するだけでは『ありがとう』で終わってしまう。その一歩先を行き『そこまでやってくれるのか』と感じてもらうこと、つまり、企業理念に掲げる『お客様の感動を創る』を常に目指す姿勢にあるのではないでしょうか」

また“一歩先”というのは、必ずしもテクノロジーや機能の進化だけではないという。
「商品に一歩先の機能を付けるのはもちろんのこと、商品が持つ機能をいかにお客様に活用していただけるように伝え、提案していくことも大切な“一歩先”ですね」

ものづくりを日本の文化にするお手伝いをしたい

常に新しい商品づくりに挑戦し続けるロブテックスの企業姿勢の源泉について地引氏に尋ねると、そこにはお客様の声を集める地道な活動があるという。

「長くものづくりを続けていると、いつの間にか『我々が作ったものは絶対良いものだ』と自己満足に陥ってしまいがち。ですから、国内はもちろん、ヨーロッパにも展示会など、折に触れ出向き、お客様のニーズを直接探るとともに、自分たちが目指す方向性とズレがないか確認する機会を作っています」


プロダクトアウトからマーケットインへの取り組みも、すべてはお客様のために仕事をし、リベッターをはじめとした工具分野で世界最高の会社となることを目指しているからこそ。

最後にロブテックスの今後の取り組みについてお話をうかがった。
「日本はものづくりの国と言われていますが、それは産業としてなんです。当社の大きな市場であるアメリカやヨーロッパでは文化なんですね。ものづくりのための工具を製造・販売している企業として、日本にも文化としてのものづくりを根づかせたい。その第一歩として社員のお子様を集めて工作教室を開き、ものを作る喜びを広める活動を始めたところです。将来、その子供たちがものづくりをする時に、当社の商品を使ってくれればうれしいですね(笑)」

MOBIO担当者より

120年を超える企業の社長として驕ることなく、「お客様の声には必ずヒントがある」と積極的に展示会にも出向ておられる7代目社長。フットワークの軽さに企業継続の秘密が隠れているのかもしれません。 (担当:奥田)

取材日:2012年10月17日(水) ライター:中直照((株)ショートカプチーノ)

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