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ものづくり企業発見!企業インタビュー

中小企業総合展2013 in Kansai 出展企業の紹介

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自社製品の強みを分かりやすく伝えることができた

豊中計装株式会社 営業技術 森 浩平氏

豊中計装株式会社
営業技術 森 浩平氏

会社名豊中計装株式会社
住所〒561-0841 大阪府豊中市名神口3-7-13
電話番号06-6336-1690
代表者名代表取締役 小谷 勝也
設立1988年(昭和63年)
事業内容省配線多重伝送システム
パソコン監視計測システム
遠隔監視システム

輝くミラーボールがMOBIOブースの目じるしに

中小企業総合展の展示写真

全10社が出展した中小企業総合展のMOBIOブース。“城”を形どったブースの頂上にキラキラ輝くミラーボールが行き交う人々の目を引く。仕掛けたのは豊中計装株式会社だ。得意とする「省配線時分割多重伝送装置」のしくみを分かりやすく伝えたいとの想いがカタチになった。

「弊社の技術は誇るべきものだと自負しているのですが、一般の方に分かりやすく伝えるのはとても難しいと感じていました。今回、この展示会に参加して新製品の紹介ができたことは、今後のプレゼンテーションへの道筋になりました」と語るのは、技術営業・森浩平氏。
入社1年半あまりでこの展示会を一任された期待の若手社員だ。今回の展示会のためにMOBIOで開かれた事前勉強会には欠かさず参加。そこで出される「宿題」もいつも一番に提出していたという熱心さだ。
「会場での説明もとてもうまかった」と社長・小谷勝也氏からの信頼も厚い。
そもそも、第一回目の事前勉強会に社長代理として参加したのが、今回展示会担当になるきっかけだった。

「MOBIOでの勉強会では、他の参加企業のみなさんや先生方から弊社の製品の説明を求められました。そこで一般の人にとって、どういうところがイメージしにくいのか、ということを考えるようになりました。みなさんに説明しながら、分かりやすい展示方法を考えたことはとてもいい勉強になりました」と語る森氏。展示会では全日を通してブースに立っていた森氏に加えて、社員全員が交代で会場に駆けつけたという。

基本の技術を大切に、永く使い続けられる製品を作り続ける

「こんな感じでお城(MOBIOブース)の頂上に光っていたんです(笑)」とパフォーマンス。

豊中計装株式会社の設立は1976年。制御盤、監視盤などの電子機器の設計・製作からスタートした。現在も基本の電気技術を忠実に守り、機能的で永く使える装置を作り続けている。

「弊社の製品の特長は古典的な技術を使いながら、現代のニーズに合った装置であること。しかも壊れにくく長持ちするので、工事費やメンテナンス費用も押さえることができます。世の中の技術全体が早い速度で複雑化・高度化する中で、確かなものを作り続けていることに誇りを持っています」と語る社長・小谷氏。
今回、展示会でアピールした製品は特許も取得した新製品「スマートパワー24」。省配線多重伝送のノウハウに電源供給機能を融合させた装置だ。分かりやすく言うと「電気に番号をつけて送る装置」だという。本来たくさんの配線工事が必要な場合でも、たった2本の配線で250箇所以上の電気信号を、しかも長距離に送ることができる。その技術は近畿日本鉄道(近鉄)、阪急電鉄、東武鉄道などの鉄道信号などにも使われているそうだ。

「電気に番号をつけて送り、電源供給と情報伝送ができるこの商品を“知能を持った電源”という言葉で表現しました。それを勉強会で発表すると、その言葉をキャッチコピーとして前面に出そうということになり、パネルに使用したのです」と語る森氏。しかし専門的な技術であるだけに言葉だけではイメージがわきにくい。その技術を来場者に体感して理解してもらうためにはどうすればいいか。そこで出てきたのがミラーボールの遠隔操作だったという。

「分割した電気信号を遠隔から送れることを見せるために、ブースから離れたお城のてっぺんにミラーボールをつけることにしました。MOBIOでの勉強会に参加したからこそ生まれたアイデアですね」。自社の小ブースに4色のスイッチがついた装置を置き、押した色のスイッチ通りにミラーボール周囲の色電球がつく。もちろん組み合わせは自由、そして照明とともにミラーボール自体が回るので、キラキラと輝いて見えるのだ。

「こういう見せ方があるのかと自身にとっても勉強になりました。インパクトがあったので、MOBIOブース全体も目立つことができてよかったのかなと自負しています」。

東京スカイツリーの“縁の下の力持ち”

新製品「スマートパワー24」。4つのスイッチの組み合わせは自由自在。組み合わせ通りに電球を光らせることができる。

普段は営業職として、意識して情報発信をしているという森氏。今回の展示会についても、事前に郵送とメールで案内を送り、来場された方には後日お礼のメールを送ったという。
「電気の会社に限らず、いろいろな会社に弊社の技術に興味を持っていただきたい。そのためにはまず、弊社のことを知っていただかなければなりません。普段から“分かりやすく伝える”ということを自身のテーマにして、試行錯誤しながら資料を作り、タイミングをみながら情報発信しています」。展示会では約100名と名刺交換をし、後日問い合わせがあったほか、実際に商談が進んでいる会社も数件あるという。

「製品技術には自信があります。例えば今話題の東京スカイツリー。その工事期間中のエレベーターには、弊社の技術が使われていたんです。まさに“縁の下の力持ち”ですよね。テレビや雑誌でスカイツリーの話題を見るたびに、なんだか誇らしい気持ちになります」と照れながらはにかむ森氏。今後も豊中計装の頼もしい営業技術として、さらなる活躍が期待できそうだ。

取材日:2013年6月25日(火) ライター:岩村彩((株)ランデザイン)

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