ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!
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日本での技術開発力が、海外進出の成否を左右する
株式会社ヤマナカゴーキン 代表取締役 山中 雅仁 氏
会社名 | 株式会社ヤマナカゴーキン |
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住所 | 〒578-0901 大阪府東大阪市加納4丁目4番24号 |
電話番号 | 072-962-0676 |
代表者名 | 代表取締役 山中 雅仁 氏 |
設立 | 1966年(昭和41年) |
事業内容 | 冷間・温間・熱間・鍛造用金型 閉塞鍛造装置 解析ソフト(デフォーム)販売 |
金型製造からソリューション提供企業へ
主に自動車の部品製作に使われる超精密鍛造用金型の製造や金型及び部品の設計などを行う株式会社ヤマナカゴーキン。代表取締役の山中雅仁氏によれば、金型製造企業から金型技術を基盤とした塑性加工全般におけるソリューション提供企業を志向しているという。
「従来は渡された図面通りに金型を作るのが仕事でした。しかし当社では、創業者であり父でもある先代社長の手によって、いち早くその周辺業務にも取り組んできました」
1980年代には試作プレス機を導入して金型で製造する鍛造部品の設計技術を培い、1990年代には当時まだ国内では大手数社しか導入していなかったDEFORMという解析シミュレーションソフトを導入した。現在、DEFORMは同社に不可欠なソフトとなっており、『一発良品』の実現や納期短縮、コストダウンに絶大な威力を発揮している。当時も今も目指すのは顧客との『WIN-WIN』の関係だ、と語る山中氏。
「先代の未来を予測する目、旺盛なチャレンジ精神を引き継ぐとともに、従来の仕事を超えて、お客様の『こんな部品が欲しい』『新しい挑戦がしたい』という言葉を実現するお手伝いができる企業になりたい」
そのためにヤマナカゴーキンは、コンサルティングや設計開発、さらには設備立ち上げや部品量産までフォローする体制を整えている。
海外事業の成功には国内技術強化が必須
自動車部品関連の業務が多いヤマナカゴーキン。自動車メーカーの工場が海外進出するのにあわせて、海外生産を開始した。
「中国はもちろん、タイでも部品製造を始めています。しかし、ものづくりの根幹となる金型周辺技術は、まだ日本国内の方が技術も需要も高い。しかも、複雑な形状になると海外では作れない。海外では作れない技術が、当社の中にはまだ数多くあるんですよ」
海外で勝負するには、ものづくり技術を高め続けることが必要なのだ。だからこそ、日本国内では積極的に新たな挑戦に取り組む。
「新たに1,200トン&4軸制御が可能なサーボプレス機を導入しました。このプレス機は日本中、いや世界中でも当社にしかありません。非常に複雑な形状を1工程で製造し、しかも100分の1ミリ単位の精度を出す。当社のものづくりに対する新たな挑戦の幕開けです」
この挑戦が成功すれば、将来的に大きな武器になる、と山中氏は語る。
「これは技術革新とともに、コストダウンへの挑戦でもあります。通常3~4工程の製品を1工程で完成させることができる。10%程度のコストダウンだと現状のまま海外製造でしょうが、当社が狙うのは30%、いや50%のコストダウン。そのぐらいのインパクトを狙って日本にものづくりを取り戻したい」
ものづくりは人づくりとともにある
ビジネスで最も大切にするものは、やはり人づくりだという。
「人材育成というか、楽しんで仕事ができる環境を整えたい。楽しくないと良いアイディアは絶対に出てきませんから」
また、受注型から提案型へのスタイル変革を目指す。
「渡された図面通りに作れば良かった時代から、目に見えないお客様のニーズを読み取って具現化するスタイルへの変革を進めています。お客様から相談を受けて一緒に作ることで、お客様との関係をさらに強化していきたい」
今後は技術と人を成長させることに重点を置く、と山中氏。
「人と会社を同じスピードで成長させていけるようにしたいですね。急激にスピードを上げると歪みが出ますが、スピード感は意識していきたい。この成長とスピードのバランスという課題を乗り越えれば、ヤマナカゴーキンという企業が一つ上のステップに上がれるんじゃないかと思っています。そして世界の人々が知る会社になることを目指します」
取材日:2013年2月18日(月) ライター:中直照((株)ショートカプチーノ)
MOBIO担当者より
技術革新が続く自動車業界に対しても「見えないニーズまで把握し、顧客要望以上の金型を作る」ことに挑戦中の ヤマナカゴーキン様。その実践の鍵・日本及び海外での人材育成に注力されている山中社長。更なる世界展開への 明確な方針をお聞きした取材でした。(担当:兒玉)