少量から量産まで難削材の極小部品もおまかせ
1967年に羽曳野にて10坪ほどの長屋を工場とした設計製作会社を創業。50周年を迎える現在では、微細部品加工や機械装置の開発も手がける企業へと成長している。同社が最も得意とするのは金属切削部品加工で、特に難削材の極小部品の切削加工では20倍程度の実体顕微鏡の目視検査でバリ、キズのない製品を少量から量産まで安定した品質で提供している。また高精度な加工を本業とする傍ら、自社オリジナル開発のバレル研磨機や遠心粉体ミキサー『SANMIX』も多方面から注目を集めている。
高精度なバレル研磨機が高く評価
主に原子力発電所の中枢である核燃料棒の保持金具関連一式の加工をすることで長年培った同社独自のノウハウにより、自動車・通信・電子・医療機器等ハイテク分野で要求される難切削金属を、高精度・ミクロン精度の品質で加工する技術を誇る。また一般的に他社が取り扱うような単品だけにとどまらず、量産対応まで可能としているのも三恵ハイプレシジョンの大きな特徴だ。さらに副業として、微細精密部品加工時に発生するバリを除去する目的で自社オリジナルで開発した揺動式遠心バレル研磨機は、自社特許を取得した製品。微細加工の難易度はバリ処理の精度にも大きく左右されるが、従来のバレル研磨機では対応できなかった同社ならではの高精度な製造工程で使用するために開発したもので、より精密かつ正確なバリ取りを行うことができるという。その性能により、現在、さまざまな企業から高く評価されている。
特許取得の遠心粉体ミキサー『SANMIX』で新たな市場開拓も
同社では、揺動式遠心バレル研磨機の開発製造だけでなく、遠心粉体ミキサー『SANMIX』の開発製造や非破壊検査用対比試験片の製作なども手掛けるなどし、成長を遂げてきた。
遠心粉体ミキサー『SANMIX』は任意容器が装着可能で、保管容器での混合も可能なためコンタミネーション(異物混入)が皆無であり、独自の自公転方式による公転運動と揺動運動の組合せにより短時間かつ低温域での分散、混合が可能だ。開発するにあたり、紛体の乾式分散混合技術で特許も取得。近年、製品開発において原材料の微細化が注目されているといい、今後、さらなる紛体の粉砕加工技術にも取り組んでいく方針だ。これが実現すれば、新たな市場の開拓も見込めるという。また、同社では非破壊検査用テストピースの製作も行っており、その対比試験片は主に過流探傷、超音波探傷、教育実習用試験片で利用される。こうした試験片においても、加工後は欠陥を計測し検証後データーを添付し納入するといった顧客目線を徹底する。
さらに韓国、マレーシアの加工メーカーに同社が技術指導したことが縁で親密、良好な関係を築いている。技術的、生産能力、価格競争力を保有した優良企業となったそれらの企業が、今では同社の主要外注先として協力態勢が構築できていることも強みだ。
三恵ハイプレシジョン
株式会社
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代表取締役落合良隆
- 住所/⼤阪市平野区⽠破南2丁⽬3番4号
- TEL/06-4302-1871
- FAX/06-4302-1885
- 創業/昭和42年6月
- 設立/昭和55年11月
- 資本金/1,000万円
- 従業員/32人
- HPアドレス/http://sankei-pr.co.jp/