創業70年余り、蛇口やバルブ・コックの製造で、業界をリードする製品を市場に送り出してきた給水装置・器具の有力メーカー。約60年前、逆流防止弁を日本に広め、水の汚染防止に貢献。約50年前に開発した配水管からの分岐に用いるサドル付き分水栓は、不断水での施工を可能にした画期的な製品で、現在も全国の自治体で採用され、日本工業規格や日本水道協会規格の基となった製品も多数輩出する。近年では、集合住宅の水道メーター設置に使用するメータユニットを製品化し、軽量でコンパクトな特長から、多くのシェアを獲得している。
製品開発では「欧米や東南アジアなど世界各国の製品を調査し、日本の市場ニーズに合わせていく」と田渕宏政社長。発売までに長い研究・開発期間をかけ、機能や品質を徹底的に追求しつつ、常に世界レベルを意識し、ニーズを先取りすることで、市場を席巻する製品を生み出している。
現在同社では、水道工事の手間の軽減や、取り付け易さに配慮した製品にも注力している。家庭の給水・給湯配管に使用される継手では、施工の完了が目視と音で確認できる継手を開発。樹脂-アルミ-樹脂の三層からなる管を使用し、作業性を高めた三層管配管システムも開発した。施工を容易かつ確実にすることで、漏水事故やトラブルをなくし、「安全・安心」を目指している。
また、「アジアの水道事情を良くしたい」との思いから、平成26年7月にはベトナム・ホーチミン市で工場が稼働。生活水準向上と共に普及する水道の漏水問題を解消すべく、現地のコストで日本品質の製品を提供。東南アジア近隣諸国にも販売していく考えだ。
今後は水道で培ったノウハウを武器に、水道以外の分野に水平展開していく方針。“暮らしと水の接点”から“流体のコントロール”にテーマを変更し、工場向けの圧縮空気配管用器具も発売。自動車や電機の大手メーカーから注目を集めている。
株式会社タブチ
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代表取締役社長田淵 宏政
- 住所/〒547-0023 大阪市平野区瓜破南2-1-56
- TEL/06-6708-0150
- FAX/06-6708-0210
- 創業/昭和16年7月
- 設立/昭和27年3月
- 資本金/3億5,315万円
- 従業員/225人
- HPアドレス/http://www.tabuchi.co.jp/