耐火物製造のノウハウを生かして新技術を開発
明治24年に耐火物(耐火レンガ・碍子)製造専門メーカーとして創業。日本産業界の歩みとともに、各種耐火物を一貫して製造してきた。昭和初期の工業用抵抗式電気炉製造の始まりに伴い、電気炉用耐火製造への分野へ進出。以来、電気炉用異形レンガ製品の開発・製造に力を注ぎ、電気炉用レンガのメーカーとして、1世紀以上にわたる経験と実績を積み重ねてきた。
ここ30年余りは電熱ヒーター業界にも進出し、工業用ヒーターの製造・販売を開始した。平成8年には、顧客の共同開発を通じて、ヒーターに独自性を持たせたユニット製品を開発し、平成15年には、半導体製造設備用ヒーターの改善、性能アップを通じて、新しいタイプのヒーター開発も行ってきた。平成28年には、長年培ってきたノウハウを取り入れた新製品の開発・製品化にも成功し、日々新しい技術開発に取り組んでいる。
耐火物製造で培った技術でヒーターの高性能化を達成
同社では、これまで培った耐熱、絶縁の技術を基に、電気炉用ヒーターの設計開発製造を行うようになった。現在では炉内温度800℃〜1200℃の高温領域かつ、昇降温の激しい過酷な環境で稼動する電気炉用ヒーターの設計、製作を得意とする。
ヒーターには高寿命、均熱性、昇降温特性等の性能が求められるが、同社はヒーターに組み込む金属発熱体の加工技術、通電中の発熱体を絶縁するセラミック碍子の製作技術、セラミック原料の調合・製造ノウハウを保有し、これらの技術を組み合わせて発熱体の保持方法を改良し、ヒーターの高性能化を達成している。原料の調合技術・製造ノウハウは社内秘として管理しているが、他社による模倣のリスクがある技術については積極的に国内外で特許を取得している。
「こんなヒーターが欲しい」にとことん応える
電気炉用異型レンガの開発・製造に加え、金属発熱体を用いた炉内温度1200℃までに対応した電気炉用ヒーター、耐熱衝撃性、高絶縁性を有するセラミック碍子と、発熱体の熱膨張を制御する技術を用いた金属フレームヒーター、金属発熱体加工技術、セラミック碍子製作技術を組み合わせた熱風発生装置が主力商品。
電気炉用異型レンガは、1品1様の設計開発を行い、顧客の使用条件を考慮した原料調合、処理を行う。また、セラミック原料の調合技術を応用した無機接着剤や、独自に調合した放射率変換塗料の帯状発熱体への焼き付けなどにより、ヒーター性能向上に繋げている。電気炉用ヒーターは、自動車用のガラスの曲げ加工、自動車の金属フレームの曲げ加工、USBフラッシュメモリなどの半導体ウェハの前処理工程などに用いられている。また、電気炉用ヒーターで培った技術を応用し熱風発生装置を開発した。
業務マニュアルでノウハウを共有し安定品質を約束
顧客ニーズに沿った製品を提案、製作し、ワンストップサービスによる顧客との繋がり強化を目指す。技術やノウハウの継承のために特殊技能はマニュアル化、数値化している。“組織化強化”のため同社の運用プロセスに沿った「業務マニュアル」を2016年に構築。運用開始後、複数の作業者が同じプロセスを踏み、ノウハウを共有する事で「安定した品質」を確保できるようになりつつある。築炉、制御盤設計など業務範囲の拡大も目指す。
ヒーターにとどまらず、装置一式の需要も多く、外部の有識者(主に工業炉メーカーの元設計者)を招き、工業炉設計(構造設計、メカ設計、熱設計、電気設計)の基礎知識についての講義を受けている。また、非金属発熱体やランプヒーターなどを用いたヒーターも設計。現在、石英加工技術を持ちランプヒーターを製造するメーカーと技術提携し、共同開発品を検討している。
貞徳舎株式会社
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代表取締役社長北村 公男
- 住所/大阪市城東区新喜多1丁目5番32号
- TEL/06-6933-5000
- FAX/06-6933-7068
- 創業/明治18年
- 設立/昭和24年
- 資本金/1,000万円
- 従業員/42人
- HPアドレス/http://www.teitokusha.co.jp/