コーディネーターの現場報告
MOBIOのサービス「ビジネスマッチングサポート」のご紹介
MOBIOの受発注パートナー探しのための3つのサービス 「受発注取引あっせん」
「ものづくりB2Bネットワーク」、「ビジネスマッチングサポート」をご存じでしょうか。
今回はその中から「ビジネスマッチングサポート」をご紹介。
他の2つのサービスとどの点が異なるのか? そしてどのような目的で、どのような業務をしているのか?
チーフコーディネーターのMさんに伺いました。
「ビジネスマッチングサポート」は、他の2つのサービスである「受発注取引あっせん」「ものづくりB2Bネットワーク」とどう違うのですか?
企業と一緒に事業を興すという点ですね。マッチングをして終了というものでもありません。依頼先は大手企業が多く、会社から新規事業の立ち上げを任されたり、新製品の拡販を担当された責任者。良いアイデアがないので相談に来られる訳ですから、ほぼゼロから立ち上げていくことになります。可能性を探り、リサーチをして、計画を立て、エグゼクティブサマリーを作り、上層部の承認や予算取りもサポートします。必要ならばPOC(プルーフ・オブ・コンセプト)のために製品のモックアップを作ることもあります。事業を立ち上げ、動かす。そのすべての段階で協力し、良き軌道へ乗せる。プロデュースやディレクション業務といえますね。
紹介して終わりではないんですね。
事業化への承認や予算が取れなければ、町工場さんを紹介することも、仕事を生み出すこともできませんからね。
その際、大切にされていることは?
依頼先の担当者と同じ目線で事業を考えることです。同じ目線に立つことで、相手の悩みもわかりますし、こちらからの一方的な提案になることもありません。
町工場さんからのご相談は?
図面を持って来られて新しい活路を相談される方もいらっしゃいます。その図面をきっちり読み込み、ご提案の可能性があるかを検証してから次の展開へ移ります。マッチングで大切なのは最後までトラブルを起こさないことですので、そのためには厳しいことも申し上げますし、動き出す前には3つの約束をしていただきます。「NO」と言われる方はどんな立場の方であろうとお引き受けいたしません。
3つの約束を教えてください。
1つ目は企業名と担当者のお名前をMOBIOのデータベースに登録いただくこと。匿名の場合はお引き受けしません。2つ目は情報の開示。見積もりや修正依頼など、メールでやり取りする場合でも私どもをCCに入れていただき、共有させていただきます。3つ目は事業が動き出した後のトラブルに対し、私どもが責任を負わないことです。これまで約3,000件のご相談を手がけてきましたが、すべての方にお約束いただいています。
記憶に残る事例について教えてください。
愛知県にある自動車製造会社の子会社の社長さんがMOBIOの活動のユニークさに注目され、地元に優れた工場が多くあるにもかかわらず、自社の生産ラインの製造を大阪の工場に依頼されることになりました。無理な注文や細かな改良がたくさんありましたが、大阪の職人さんはそれに見事に応えてくれたんです。そこからいろいろな相談が寄せられるようになり、10年後には同製造会社の採用する部品などの70%は大阪府内製となり、その半分が私たちのビジネスマッチングによるものとなりました。
お話を伺うとマッチングというより、「新たな創造」という表現がぴったりですね。 依頼を引き受けるポイントは?
人ですね。その人にどれだけ情熱があるかを見極めます。事業の立ち上げは多分にベンチャー的なところがあり、頓挫しかかることもありますが、逃げるとそこで終わりです。今は大変だが、できることを着実に積み上げていると、その製品が大手ハウスメーカーに採用されて軌道に乗ったという事例もありました。本人の汗、誠意、熱意、それが人を動かすんです。だから私たちも動くのです。人も金もコネも何もないところから可能性の光を導き出して、形にしようと奔走する。大変ですよ。でもね、誰もができることをしても仕事は面白くなりません。「Stay hungry, stay foolish!!」と言い続けて次の依頼へ踏み出すのが、私たち「ビジネスマッチングサポート」のコーディネーターです。