KATADORI 語ろうやDREAM
「語ろうや DREAM(夢)」の頭文字を取って名づけられた「KATADORI」。
関西学院大学の栗田ゼミ(中小企業班)に所属する学生たちが大阪の中小企業を訪問し、経営者を取材して記事化する学生企画です。
今回取材させていただいたのは
ストロング金属株式会社 代表取締役 谷健次さん
社員が誇りに思える会社にしたい!
JR河内永和駅を降りて、歩くこと10分。大通りから外れて穏やかな空気がただよう住宅街を歩くと神社が見えてきます。ストロング金属の社屋は、その斜向かいの陽あたりのいい場所に鎮座しています。お話を伺った谷さん(現社長)は、実は昨年・一昨年と私たちのゼミの研究調査にご協力いただいた方。調査をきっかけにやり取りする中で、社員への素敵な想いを垣間見ることができ、ぜひもっと詳しいお話を聞かせていただきたいと思い、今回の取材が実現しました。
早速、社員を大切にしている想いについて伺うと「別に意図的に大切にしているわけではない」という意外な答えが返ってきました。ただただ「ここで働く全員が誇りに思えるような会社にしたい」という純粋な想いから、たくさんの本を読み、様々な方から意見をいただき、自分が実践したいことを書き出していったというのです。これらを少しずつ実践していくことで、社員を大切にする今のスタンスが出来上がったのではないかとおっしゃっていました。
小さな町工場でも胸を張れる環境を!
「社員が誇りに思える会社」をめざしている谷さんは、大学卒業後、某有名企業や個人経営の小さなレストランなど、職を転々としていた時期があったそうです。色々な場所で働く中で、「会社の規模によってまわりの反応が全然違う」ということに気づいたのだとか。「人は“大規模・有名・安定”などのイメージに価値を感じているようだが、本当にそうなのか?」小規模の会社と大規模の会社、どちらのタイプも経験された谷さんは「そんなことはない」と感じたそうです。なぜなら規模が小さくても素敵な会社はあるし、逆に大規模でも素敵とは思えない会社はある。会社の価値は規模では説明しきれないと確信し、小さな町工場であっても「お母さん、私(僕)こんなに良い会社で働いてるねん」と胸を張って家族に言えるような会社にしたいと思うようになったそうです。
芯を強く持って助言は受け止める!
そんな経緯から会社づくりをスタート。しかし、当然ながら最初からうまくいくことはありませんでした。「そんなもんできるかぁ!」「何してんねん!」まわりから認めてもらえないことだらけでしたが、自分の芯を強く持って決して諦めず、でも言われたことはしっかり受け止めるスタンスを貫いてきたそうです。すると、前社長のお父様にぼそっと褒められることが増えてきたのだとか。そんな時期に、パートのスタッフから「子どもが初めて私の仕事を認めてくれました」と涙ながらに言われたことも。「社員からの見返りは特に求めていないけど、こういう言葉は素直にうれしい」と喜んだそうです。
谷さんが取り組んでいる素敵なことがあるそうですが、「聞かれたら話すけど、あまり自分からは話さない」とのこと。ということで、興味のある方はぜひご本人に聞いてみてください。谷さんとお話しするだけで心があたたかくなりますよ。そんな谷さんがめざしている社長像は、関わった人を幸せにできるような人。「会社は小さいけれど、取引先としてベスト。そんな会社になりたい」そう言って笑う、谷さんの強い眼差しが印象的でした。
ストロング金属株式会社
(本社)東大阪市荒川3-15-16
TEL 06-6722-3207
https://strong-ltd.co.jp/
1947年創業。ステンレス、鉄、真鍮製の掛金金具・ラッチ打掛錠等の製造を行う。プレス加工業者や金型製作会社と協力体制を構築し、プレスから完成までを自社で完結。顧客の様々なニーズに対応している。