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産業を支えるフッ素樹脂。その限りない可能性を追求。
フッ素樹脂(PTFE)と聞いて思い浮かぶのは、テフロン加工のフライパンや、車のボティへのコーティングだろうか。PTFEは他の高分子材料と比較して、耐熱性・耐薬品性・耐候性・電気特性がきわめて優れているうえ、非粘着性・滑り性などユニークな性質を持つことから、さまざまな分野で使用されている。協立化工業はこのPTFEを粉体から金型で圧縮成形し、切削加工まで手がける会社だ。自動車・航空機・情報通信機器などあらゆる産業分野の製品部品から、たとえば水道の元栓バルブやガスコックといったパッキンのような住宅向け製品まで幅広く取り扱う。金型は社内に取り揃えられ、顧客の求める製品を最適なサイズで提供可能。国内でも原料の粉体から形成、加工までおこなうのは、ほとんどが大手企業。そこで小回りの効く対応ができる同社は貴重な存在だ。「現在、受注が増えているのはIoTに欠かせない半導体の製造装置メーカーへの供給。ここではPTFEの耐薬品性が活かされています」と、代表取締役の岸本佳朗氏。2代目である岸本氏が入社した当時、外注していた切削加工を再び自社で手がけられる体制を整え、同社の強みへと押し上げるとともに、試作・短納期により信頼を獲得し、大量受注につなげてきた。
ところで樹脂専用の加工機械というのは、市場にほとんどないという。しかも樹脂専用刃物は皆無な状態。入社まで他社で設計を手がけていた岸本氏は、自身で図面を描いて刃物製作を依頼することで、効率化も図っている。今後の展開として年内に特許取得を目指し、まだまだ可能性が眠っているPTFEによる新しいジャンルへの展開も考えている。
株式会社協立化工業
http://www.kyoritsuka.co.jp/
東大阪市御厨東1-3-35 TEL 06-6789-0871