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大阪府を中心に「産学公民金」が連携し企業の“発掘と育成”に取り組む、大阪版エコノミックガーデニング「EGおおさか」。
EGなキーパーソンや支援機関の取組みなど、毎号広域な視点でご紹介します。

利便性、研究開発スピードの向上「一気通貫の企業支援」へ。

銅はレーザの反射率が高く3Dプリンタによる積層造形は困難とされてきた。
株式会社ダイヘンでは旧産技研との技術相談、共同開発を経て、銅合金3D積層造形を可能とする造形技術を確立。
この技術によって生まれたのが、アーク溶接システム「D-Arc」水冷トーチ

企業を取り巻く競争が厳しさを増すなか、ものづくり企業にとって製品の高付加価値化や新製品開発が必要となっている。とはいうものの経営資源には限りがあり、自社の独力で技術課題を解決することはたやすいものではない。そういった場合にぜひ活用して欲しいのが技術に関する相談窓口として、さまざまな支援をおこなっている公設試験研究機関(公設試)だ。今年4月に大阪の公設試として長い歴史をもつ、大阪府立産業技術総合研究所(産技研)と大阪市立工業研究所(市工研)の2つを統合し、地方独立行政法人大阪産業技術研究所が新たに設立された。両研究所は中小企業の研究開発や事業化を支援する公設試として既存の施設を活用し、旧産技研は本部・和泉センター、旧市工研は森之宮センターとして双方に相談や企業などによる利用申請窓口を設置。「知と技術の集積拠点」としての機能を強化した研究所「スーパー公設試」を目指すという。
これまでの実績から、和泉センターは機械や金属などの分野、森之宮センターは化学やバイオ分野で強みがあり、研究員1人あたりの特許保有件数や業務収入は全国の公設研究機関の中でともにトップクラスを誇る。また和泉センターでは早くから3Dプリンタを導入しており、金属粉をレーザで固める技術などには定評がある。加えて10m法による大型電波暗室など公設試では希少な試験装置も備えている。「製品開発・評価が得意な旧産技研と研究開発を得意とする旧市工研を一体運用することで、企業の開発スピード向上とコスト縮減につながる“一気通貫の支援”ができます」(和泉センター業務推進部 部長補佐 松永崇氏)。これまで両研究所それぞれでおこなわれていた相談のワンストップ化、利用申請の一元化など、ユーザー目線でのサービス向上も期待される。施設の充実はもちろんだが、この柔軟な対応も魅力だ。基本、相談は無料。
工場に行かないとわからないものに関しては、担当者が現地に赴いて相談できるメニューもあり、こちらも無料だ。いくつかの設備・装置の使用では時間内に終わらない場合、時間延長対応もある。また研究開発だけではなく品質管理の試験もあり、製品化して終わりではなく異物混入や不具合を発見し、改良や改善につなげることもできるなど、企業ごとに様々な活用法がありそうだ。「どうしても敷居が高いと思われがちですが、相談は無料ですので、まずは気軽にお問い合わせください」

地方独立行政法人大阪産業技術研究所
http://orist.jp/
本部・和泉センター 和泉市あゆみ野2-7-1
TEL 0725-51-2525(技術相談)
森之宮センター 大阪市城東区森之宮1-6-50
TEL 06-6963-8181(技術相談)

広大な敷地に立つ本部・和泉センター。来年3月には国際規格に則った新しい電波暗室も開設される予定

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