書籍や雑誌、カタログなど日常を彩るさまざまな印刷物。しかし印刷業界の独壇場ともいえた市場が、インターネットの存在や電子書籍事業などによって伸び悩んでいる。「情報の伝達＝コミュニケーションは時代によって変わります」。そう語るのはテクノロールの代表取締役社長 浅尾栄次氏だ。同社は1980年に設立したゴムロールのメーカーであり、UV印刷用ゴムロール「トラストシリーズ」が、現在の同社を代表する製品だ。
「UV印刷は特殊原反に対する印刷。化粧品のパッケージやクリアファイルといった特殊な素材に印刷ができます。これによって印刷に付加価値が生まれる。電力の消費も少ないLEDを使用しインキを硬化させるUV印刷は、環境問題や時代の流れにマッチした印刷方法であり、デジタル印刷が台頭するなかで、生き残る道はこれしかない」。
そのほかにも印刷時に派生するゴミの揺動式除去ロールを業界で初めて開発。これまで機械を停止しないと除去できなかった作業を無停止で実現するなど、現場に眠る課題やニーズを汲み取った製品を開発。また約60件の国内外の特許をもとに創業以来、独自技術によって事業拡大してきたが、鉄めっき加工の特殊技術を持つフソー株式会社を傘下に入れ、さらなる技術開発や商品ラインアップの充実に乗り出した。「日本の印刷物は本当にきれいです。それが“早くて安くて、色さえついていればOK”では悲しい。UV印刷とともに自社のロールが世界に広がることが夢ですね」

テクノロール株式会社
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