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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
現状打破のヒントやモチベーションアップにつながります。
私たちの身近にあるヒーター製品開発のヒントも身近なところにある。
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アスパイア事業部の開発商品。ホースカバーAHCシリーズは、ホースを取り外すことなく着装できるマジックテープ付ホースカバー
日常生活でヒーターを直接使う機会はあまりないが、内部にヒーターを組み込んでいる製品や装置は意外と多い。加島はそうした製品や装置の心臓部となるヒーター製造一筋の会社だ。
1955年に創業、1967年から都島へ。当初はニクロム線の加工を専門にしており、一時期は国産トースターのニクロム線は、ほぼ100%加島の製品が使われていたという。時代が移り、ニクロム線自体が活躍の場を失った後も、長年培った技術力と独自のテクノロジーで幅広い分野の加熱システムのニーズに応えてきた。取引先の要望に合わせてカスタマイズしたヒーターを製造するため、設計・企画のノウハウも豊富だ。
この仕事の面白さを代表取締役社長の加島裕次氏は「さまざまな業界の方と関われることができる」と語る。JAXAから町のパン屋まで取り扱うジャンルは幅広く、しかも多くの依頼は図面もない。だからこそ、同社のトータルにプランニングできる強みが活かされる。
「製品開発のヒントは日々の生活の色々なところに隠されています。いかに自分が興味を持ってそのヒントに気がつき、引き出しを増やしていくかが大切です」。そうして視野を広げていきながら、7年前にワイヤー&ケーブルマネジメント製品を開発製造するアスパイア事業部を立ち上げた。
「車の製造時にケーブルが傷つかないように保護するものから、重建機の油圧ホースを守るもの、そして通信や土木業界にも使われています。将来的にはこの事業のシェアを増やしていきたいですね」
株式会社加島
http://www.kashima-hot.co.jp/
大阪市都島区都島北通1-10-7 TEL 06-6922-5541
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加島の電熱ヒーターはさまざまな現場で活躍している
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都島小学校の「都島こどもエコクラブ」では加島氏自ら監修したカリキュラムで、子どもたちに小さな循環社会を体験させ、自然と人とのつながりを伝えている。こういった社外での活動も、自身の引き出しを増やしている