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ものづくり企業の次の一手は? 毎号6つの旬な記事で熱い「変革と挑戦」を紹介するモビロク。
現状打破のヒントやモチベーションアップにつながります。
培われた技術力、そして積み重ねた研究開発が会社の未来をつくる。
私たちの身の周りの多くのものに使われているゴムパッキン。さまざまな製品に必要とされ、新技術が生まれる度に新たな形状や機能が要求されてきた。このゴムパッキンメーカーである髙石工業も、取引先の要望に応え、常にチャレンジを続けてきた。
「未来の会社をつくるのが、研究開発だと考えています」。そう語るのは3代目社長である髙石秀之氏。2006年に代表取締役に就任後、試作をはじめさまざまな研究開発のプロジェクトを推進してきた。その成果といえるのが、多くの水素ステーションに採用された「耐水素用ゴム材料」だ。水素の分子はとても小さく、隙間に入り込んでゴムや金属をもろくする性質がある。何度も失敗を繰り返したどり着いたのが、水素がゴムに入りにくく抜けやすい構造にした、−40℃から150℃までの温度変化に耐える現在の製品だ。すでに多くの水素ステーションに使われている。「水道・ガス・空気関連のゴムパッキンが会社の礎であり今後もそれは変わりませんが、新たに水素や燃料電池、医療関係という分野にも進出したいです」。
チャレンジといえば今夏、ベトナム・ホーチミンに工場を設立。2014年からはドイツで開催される世界最大級の展示会『ハノーバーメッセ』に毎年出展し、各国の水素関係のパイオニアメーカーとコアなネットワークを築きつつある。「水素関連事業は、20年・30年先に普及を見据えた息の長い話。社内でも最先端の研究成果なので、今から実績を積んで市場で勝負していきたいですね」
髙石工業株式会社
http://www.takaishi-ind.co.jp/
茨木市主原町3-18 TEL 072-632-3365
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家庭の中の水廻りやガスのコックなど、ゴムパッキンの製品は小さく、手のひらに乗るようなサイズが9割以上
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「なんでも言える会社に」を目指し、ちょっとした親切や気遣いを言葉にして伝えようと今年の5月から社内で「ありがとうカード」を始めた。更衣室の前に飾られた掲示ボードにたくさんの「ありがとう」が並ぶ