EGで行こう!
大阪府を中心に「産学公民金」が連携し企業の“発掘と育成”に取り組む、大阪版エコノミックガーデニング「EGおおさか」。
EGなキーパーソンや支援機関の取組みなど、毎号広域な視点でご紹介します。
中小企業の持つ潜在的なニーズを掘り起こし、
課題解決のお手伝いを。
中小企業への支援というと、地方銀行、信用金庫、信用組合というイメージが強いが、最近はメガバンクも積極的な取り組みを見せている。2013年7月には三井住友銀行が東京都大田区と大阪府東大阪市の2カ所に、ものづくり企業を中心としたソリューション専門拠点「中小企業ソリューションセンター」をオープンさせた。ものづくり企業の集積度が高い地域として知られる大田区・東大阪市に設置することで、顧客の各種経営ニーズに対し、より細かく対応する体制を構築している。その支援内容について三井住友銀行 法人戦略部 中小企業ソリューションセンター 東大阪センター長の髙橋豪氏はこう語る。
「おもな取り組みは地元行政や地域団体等とのリレーション強化による情報収集と営業拠点への還元、セミナーやイベントを通じての情報提供です」。銀行での支援は限られているのに対し、行政や公的な中小企業支援機関は多くの支援策を持っている。そこで同行は、自分たちが行政から多面的な情報を収集し連携しながら非金融面での適切なソリューションを提供していきたいという。「ものづくり企業の経営者は大変忙しいので、私たちがイベントやセミナーなどを通じて、助成金等の公的サービスや支援施策といったツールの情報収集・発信役を担う。女性活躍推進セミナー、マイナンバー活用セミナーといった時代や旬の話題を盛り込んだイベントや、本当に企業が欲しいと考えている施策情報を営業店に発信しています」。さらに「点」ではなく「面」で対応する必要があると考え、行政の開催するイベントに協力するといった二段構えのサポートも。
昨年10月に大阪府が開催した『海を越えて活躍したい君へ -合同企業説明会-』では、グローバルに展開する同行の取引先企業に声をかけ、参加してもらっている。これぞメガバンクとしての強みを活かしたサポートといえるだろう。メガバンクは大手企業向け融資のイメージが強い。だが、同行は行員向けに行政による中小企業支援施策のセミナーを行い、企業と接する現場での施策知識の活用を図る。また、企業向けに『BCP(事業継続計画)セミナー』を定例的に開催。緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることで雇用を守り、顧客の信用を維持する。それが企業価値の向上に繋がることを、企業の経営者たちに気付いてもらうことが目的だ。
このように、顕在的なニーズに応え、潜在的なニーズを発掘することで企業価値の向上につなげていきたいと語る。「企業の経営には攻めと守りがあると考えています。攻めにあたるのは事業拡大や社会貢献で、守りにあたるのはリスクマネジメントといったもの。それぞれの企業のニーズや想いを丁寧に汲み取るだけでなく、それぞれの領域に有益な情報価値を提供し実践してもらうことで、企業価値の向上につながります。そのお手伝いをすることこそ当センターの使命だと考えています」
三井住友銀行
法人戦略部 中小企業ソリューションセンター(東大阪)
東大阪市長堂1-5-1
TEL 06-6782-1250