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超精密加工のエキスパートがニーズをつかみ自社製品開発へ。
「率先して新しいことに挑戦するのは、社長である自分の仕事」。そう語るのは三恵ハイプレシジョンの代表取締役・落合良寬氏。同社は光通信や原子力発電所、医療機器などの重要な部品に必要とされる難削材を得意とする、超精密加工のリーディングカンパニー。
先代はエンジニアであり、創業当初は産業機械などの装置メーカーであった。落合氏が経営を引き継いだのはITバブル崩壊後。現状を脱却するために導き出した答えは、「自らニーズを探り当て、そこに技術の粋を注ぎ込む」自社製品の開発。それが「遠心バレル研磨機」だ。
これはバリ取りや研磨を行う加工対象物を入れたタンクを、傾斜させて揺らすように動かすことで、従来機の弱点である打痕傷や歪みが抑えられ、短時間で研磨ができるというもの。業界のニーズや課題を的確につかんでいたから生まれたアイデアだ。次のステップではそれを進化させ、性能向上を図る。さらに遠心バレル研磨機の技術を応用し、2種類以上の粉を均質に混ぜられる「揺動式遠心攪拌機」も開発。これらの開発はすべて経営革新計画の承認を受け、補助金を得て成し得たもの。
「次の展開を考える段階でタイミングよく、求める支援を受けられた」と振り返るが、それも技術力あってこそ。今後は「本業である部品加工とともに、開発・製造のイニシアティブを取れる仕事をひとつの柱として、事業の多角化を進めたい」と語った。
三恵ハイプレシジョン株式会社
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