EGで行こう!
大阪府を中心に「産学公民金」が連携し企業の“発掘と育成”に取り組む、大阪版エコノミックガーデニング「EGおおさか」。
EGなキーパーソンや支援機関の取組みなど、毎号広域な視点でご紹介します。
ものづくり企業の頑張る姿を知っているから、ほっておけない。
今年で市政50周年を迎える摂津市。ものづくり企業の活性化に向けて、摂津市商工会ではさまざまな試みを仕掛けてきた。そのひとつが今年で3回目を迎える「摂津市ビジネスマッチングフェア」(摂津市・摂津市商工会・北おおさか信用金庫・大阪彩都総合研究所共催)だ。
第1回はダイキン工業やカネカ、芦森工業など市内に工場を持つ大手企業を招き、各社のシーズに対するマッチングを目指した。第2回は商工会が仕掛け、はじめての自社製品となる国産ドラコン競技公認ティーを製作した三島金型株式会社など、「市内のオンリーワン企業の発掘」というテーマで紹介。そして今回は町工場が集結して世界に挑戦した無人深海探査機「江戸っ子一号」の開発者や、元シスメックスの知的財産本部長を招き、ものづくり企業の成長の鍵となる知的財産についての講演もおこなわれた。
さらに5月には『出張!MOBIO-Cafe Meeting in 摂津市』が開催された。摂津市の強みを「交通の要と言える立地に加え、車で20分もあれば市内を巡れるコンパクトシティであること」と語るのは商工会の島内嘉紀次長。コンパクトシティ=ものづくりの集積地であることを代表しているのが「摂津市鉄工会」だ。1972年頃、鉄工団地開設の動きと連動して生まれ、現在も市内の鉄工・金属加工業者約25社が加盟している。こちらの鉄工技術をアピールし、「幅広い世代に楽しんでもらい、鉄工業の活性化につながれば」と、若手の会員によって製作されたのが、テレビのバラエティ番組でもおなじみのゲーム。「これは触れると音が流れる棒を、鉄板に当たらないよう制限時間内に動かすもので、『摂津まつり』や学校の文化祭で遊んでもらえました」(佐古和康経営指導員)。肉の塊を丸焼きできるバーベキューコンロ「丸焼きくん」も、リーマンショックで多くの企業が落ち込んでいる時期に、イベント出店用として商工会青年部からの依頼で製作されたものだ。
こちらの商工会が面白いのは、積極的にものづくり企業が地域の人と触れ合うきっかけをつくっている点。イベントに巻き込むことでつながりを持ち、ものづくりのヒントや刺激まで与えているように見える。前述の「丸焼きくん」を製作した株式会社カネタからは「従業員が一つになり、純粋に人の役に立つものをつくる、ものづくりの原点や喜びを取り戻せた」と感謝されている。「素晴らしい技術を持ち、ものづくりに取り組んでいる企業は、ほっておけない。最後までしっかりサポートしたいんです」(島内次長)。2018年度には最先端の医療機関「国立研究開発法人 国立循環器病研究センター」が、摂津・吹田両市にまたがるJR岸辺駅前へ移転することが決定している。「10年、20年後には摂津のものづくりの力で、医療の世界に企業参入できれば」。
摂津市商工会
http://settsu-sci.jp/
摂津市南千里丘4-35 3F
TEL 06-6318-2800