EGで行こう!
大阪府を中心に「産学公民金」が連携し企業の“発掘と育成”に取り組む、大阪版エコノミックガーデニング「EGおおさか」。
EGなキーパーソンや支援機関の取組みなど、毎号広域な視点でご紹介します。
最適なソリューションを提供すること、パナソニック流“オープン・イノベーション”。
2018年に創業100周年を迎えるパナソニックが、今年4月から新事業「パナソニック株式会社 ナレッジサービス推進室」を立ち上げた。これは同社が有する豊富な知見、ノウハウの提供を通じて、企業が抱える事業における「困りごと」を共有し、解決をサポートしようというもの。
たとえば海外進出を目指す企業に対しては、海外で活躍できる幹部職育成のサポートや、法令や規制への対応策を提供する。
また、品質向上に関するノウハウを提供したり、技術者を設計の段階で投入し、製品の完成度を高めていくような事例もあるという。
しかし電機メーカーのパナソニックが、なぜサービス事業に乗り出したのか。営業総括の斉藤猛氏はこの事業を“他流試合”にたとえる。
「社外の方々に、パナソニックを鍛えていただくのが大きな狙いのひとつ。つまり、お客様へサービス提供することにより、そのサービスのQCDSについて、社内では気づかない厳しい評価をいただけます。そのご指摘がサービスの改善につながり、自社の新たな財産になります。その結果、お客様へ良質なサービスが提供できます。このような好循環が生まれて欲しいですね」。
長い歴史のなかで、たとえば製造現場の改善方法や特許の活用、研究開発からマーケティングまで、同社には事業成長に必要なさまざまな知見・ノウハウが蓄積されている。
こういったノウハウを活かしていける会社であれば、会社の規模は関係ない。ポテンシャルを秘めた、ものづくり企業と連携をしていきたいという。
中村真一室長は「挑戦する会社は、未知の領域に足を踏みだそうとしているわけですから、困りごとだらけ。そういったお客様に対してソリューションを提供する、それが自分たちの考える“お役立ち”です」と語る。
「必要に応じて、NDA(守秘義務)契約を結んだうえで、サービスを提供させていただきます。またどなたでも気軽にお立ち寄りいただけるように、推進室の窓口はIMPの2階に設けています」。
ここでは個別の技術相談もやっていくという。敷居は低く、間口は広く。このアプローチは実に大阪らしい。来年1月からは、大阪府内のものづくり企業を対象に、同推進室・りそな御堂筋ビジネスソリューションプラザ・大阪府の3者が連携し、無料セミナーや交流イベントを5ヶ月間で展開予定。
この『ものづくり企業応援 双方向セミナー』では、経営に直結するテーマを題材に、講演を聞くだけではなく、事前に寄せられたリクエストに対して、具体的な事例や情報で回答するパートも盛り込んで、発見のある2時間にする予定だという。
「今はまだ事例も少ないですが、今後ソリューションを提案していくなかで、サービスに満足いただいたお客様に、口コミで他の企業を紹介していただき、顔の見えるネットワークが生まれてくるのが理想です」(中村室長)。
パナソニック株式会社 ナレッジサービス推進室
http://www.panasonic.com/jp/business/knowledge.html
大阪市中央区城見1-3-7 松下IMPビル2F
TEL 06-4790-0104 フリーダイヤル 0120-378719