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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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新たな市場を生み出すべく、全社一丸で挑戦!

近畿容器株式会社 代表取締役 日紫喜 丈士 氏

近畿容器株式会社
代表取締役 日紫喜 丈士 氏

会社名近畿容器株式会社
住所〒530-0044 大阪市北区東天満2-5-7
電話番号06-6358-1261
代表者名代表取締役 日紫喜 丈士 氏
設立1977年(昭和52年) / 創業1951年(昭和26年)
事業内容電子剤ペースト容器、ナンコー容器、健康食品容器

医療から電子材料に販売先が大きくシフト

製品

広口プラスチック容器の製造・販売を手掛ける近畿容器株式会社。 2011年12月に代表取締役に就任したばかりの日紫喜丈士氏に、近畿容器の事業について紹介していただいた。

「販売当初は軟膏をはじめとした医薬品の容器として使われていました。 商品シリーズ『ナンコー容器』の名前をご覧いただいたら一目瞭然ですね。ある時、電子材料を扱う企業から注文をいただくようになりました。製薬業界で使われているということで、その信頼性や品質の高さに注目していただいたのがきっかけです。現在では取扱量が逆転し、電子材料関連が全体の7割を占めるまでになっていますね」

例えば、コンピューターの基板に塗布するグリーンのペーストや太陽電池の極剤などを入れる容器として利用されるのだが、用途や中に入れる素材に合わせて容器のサイズや素材も変わるという。現在は、サイズやカラーを含めると300アイテム以上の樹脂容器を扱っている。

「お客さまの要望にお応えするうちに、既製ラインナップも増えましたね。こういった樹脂容器は、金型のサイズも大きくなり、歪みにくさを求められる大きなサイズを作る方が高い技術が必要なんです。大きなサイズの容器は専業メーカーである当社の強みでもあります」

IATA基準合格の認定を受けた高い品質が強み

IATA認定
ユナイトリング付ハイベッセル

日紫喜氏に近畿容器の強みをたずねたところ、樹脂容器の奥深さを感じさせられた。

「基本機能である『漏れない』という部分ですね。当社には機密性が高い容器を作る技術とノウハウがあります。樹脂は加熱・溶融して金型に流し込んで成形し、その後冷えて固まると収縮します。この収縮分も計算して金型やさまざまな設定をしておかないと、中栓や蓋との合わせ具合がきちんと収まらなくなります。これを数万個の単位で安定成形する精度の高さも強みと言えますね」

近畿容器のラインナップには、認定取得が難しいIATA(国際航空運送協会)のプレッシャーテストに合格している商品もあり、自社商品全体のブランディングに貢献している。

「小さいサイズは取得しやすいですが、大きなサイズの商品も取得している点が当社の強み。また、プラスチック容器は、基本的に地産地消が原則で国外の競合はほとんどありません。だからこそ品質やコストに対するお客様からのニーズに対して、いかに対応できるかがポイントだと考えています」

部署の壁を越えた対話こそ、挑戦を成功に導くカギ!

HiBessel-A

今後は、さまざまな切り口から樹脂容器のニーズそのものを掘り出すような取り組みができれば、と語る日紫喜氏。

「当社の容器は製薬業界からスタートして電子材料の市場に広がりました。次の市場がどこにあるのかをしっかりと見極め、新製品の開発にも取り組んでいくつもりです。同時に、現在最も多く使われている電子材料ジャンルでのシェアをさらに拡大させたいですね。私自身も可能な限り、リアルなお客様の声をお聞かせいただこうと考えています」

今後は、品質とコストの競争力をさらに身につけることや、時代にマッチした新しい商品開発を進めていくことが必要だと考えている。

「品質が強みですが、それだけでは生き残れない。品質を維持しながらコストダウンを実現する技術や、リサイクル&リユースの研究も進めています。ただ、こうした挑戦を成功させるには、営業、技術、工場が部門の壁を越えて協力し合う組織が必要。しかし、当社は今まで他部門との対話が比較的少なかったんですよ。まずは他部門を理解し、クロスファンクションで物事に挑戦できる会社づくりを目指します」

MOBIO担当者より

現場では横倒し、航空輸送では0.8気圧。それでも内容物が漏れない大型容器の設計・製造技術。「その深耕は社員のチームワークで可能」と就任初年度の日紫喜(ひしき)社長から明確な方針をお聞きしました。(担当:兒玉)

 取材日:2012年9月26日(水) ライター:中直照((株)ショートカプチーノ)

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