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MOBIO入居企業・常設展示場出展企業のスペシャルインタビュー

ものづくり中小企業の変革と挑戦を支援しているMOBIOでは、MOBIO 常設展示場出展企業様・インキュベートルームの入居企業様の「 変革と挑戦 」について、取り組みのきっかけ(背景)、 具体的な内容などをインタビューしご紹介していきます。ここにはヒントが沢山詰まっているはずです。 じっくりお読みください!

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農機具部品加工から半導体部品加工に事業転換

有限会社大阪製作所 代表取締役 後藤 良一 氏

有限会社大阪製作所
代表取締役 後藤 良一 氏

会社名有限会社大阪製作所
住所〒581-0853 大阪府八尾市楽音寺5-137
電話番号072-941-1813
代表者名代表取締役 後藤 良一 氏
設立1959年(昭和34年)
事業内容半導体製造装置精密部品製造
医療分析機器精密部品製造

独学で現業の中から最先端事業へのヒントを発見

キズ、バリの全くない精密部品

有限会社大阪製作所は、半導体製造装置の部品や医療分析機、ロボット分野の部品などの微細微小超精密加工のほか、高精度が求められる大型加工に強みを持つ企業だ。部品サイズも小指の指先ほどから、直径500mm程度までと幅広い。また、ステンレスとアルミをメインとしながら、チタンなどの素材も扱う。

「もともとは昭和34年、私の父親が農機具の部品製造会社として創業しました。木や果樹に農薬を霧状に散布する噴霧器の部品を作っていて、耐薬品や錆防止のために扱う素材がステンレスでした。当時のステンレスは『錆びない鉄』という触れ込みの新素材で、非常に高価で加工できる会社も少なかったそうです」

分野は農機具だが、実は最新の素材を扱っていたのだ。息子である良一氏が入社した頃には、ステンレス切削技術とアルミダイキャストの技術が社内で確立していたという。

「ステンレスとアルミに関わる分野に将来性があると考えて、両方を使う業界を調べると、当時最先端だった半導体業界が見つかりました。そこで半導体業界の仕事の受注を目指そうと考えたんです」

10年掛けて事業転換を成功に導く

半導体関連の仕事受注を目指そうと決意した後藤氏だが、知識はほぼゼロ。工業大学を卒業していたが、半導体業界で働いたこともない。知識はすべて独学で調べて学んだという。

「最初はセミコンジャパンなど、さまざまな展示会を見に行きました。すると、3~4年で自社で取り組めそうな部品が見えてきたんです。そこで、将来求められるであろう技術などを独学で学びました。最終的には書籍の著者のところに足を運んで教わるなど、結構徹底的にやりましたね(笑)」

こうして半導体業界が困っていることや将来の方向性を把握した上で、半導体機械メーカー数社に対して困りごとを解消する提案を持ち込み、そのうちの1社と契約が成立した。

「半導体に的を絞ってから初受注まで約4年。事業として成立するまでには約10年掛かりました。受注してからの機械調達や人材採用&育成も大変でしたね。悩みっぱなしでした」

そうした事業転換を図りながら30ミクロンの微小な穴を開ける技術を確立するなど、新しい技術開発の取り組みも行った。

「2009年にものづくり日本大賞を受賞しました。こちらも非常に精密な流体制御を要する機械やプラントなどに活用されています。また、微細微小超精密加工と大型加工の技術融合にも取り組んでいます。あくまでも微細微小加工で培った高精度技術の応用範囲内となりますが、高精度な大型部品というニーズにも対応できるようになりました」

キーパーツ製造会社を目指し『品質保証』を強化!

24時間、365日、20°±0.3 の品質保証室

日本の製造業の最先端とも言える分野の仕事に挑戦する大阪製作所。日本でしか作れない高精度や新技術に関わることは、仕事のやりがいと今後生き残っていくための戦略の両方にプラスの効果をもたらす、と後藤氏は語る。

「今後は技術開発と品質保証、特に品質保証が重要だと考えます。なぜなら、日本の製造業が日本でしか作れない高品質なものを作ることを求められるようになれば、次は品質保証が重視されると思ったんですよ」

そうした未来を見据え、大阪製作所ではすでにクライアントとのやり取りも含めたすべての情報をデータ化して保存し、一つひとつの製品に関するあらゆる情報の集約とその閲覧を可能にするシステムを自社開発して導入済みだという。

最後に、これからの目標をおうかがいした。

「どんな産業分野の機械にも高い精度を求められる『キーパーツ』が必ず存在します。それに関われるようになりたいですね。それを実現するために、品質保証ができる体制と高精度な部品が作れる技術に、さらに磨きを掛けていきたいですね」

MOBIO担当者より

「更なる加工精度向上と品質保証強化は、物と情報の流れの一本化で実現する!」農機具から半導体へと大幅な顧客転換を実現された後藤社長から自信に溢れた言葉をお聞きした取材でした。(担当:兒玉)

取材日:2012年12月10日(月) ライター:中直照((株)ショートカプチーノ)

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