同社は、高い水準の加工技術と高精度な設備、最新の測定装置を備え、高精度な歯車加工を中心とした部品製作を通して、世界最高クラスの車両に向けた歯車部品製作をはじめ、市販自動車エンジンの部品を供給している。
年々短期間化する車両開発の現場での高精度部品の短納期製作にも対応し、中小企業にとって難しい”高い要求のものづくり”で、成長を続けている。
戦前から操業する町工場から独立し、1968年に創業。1981年に株式会社繁原製作所を設立。リーマンショックによる劇的な外部環境のあおりを受けながらも、着実に経営改善を行い、業績回復に取り組んできた。
近年では、高度な歯車加工技術を駆使し、EV用多段変速機を開発。日本全国のEVバスや展示車両用EVの減速機を供給してきた実績から、EV用減速機のオンリーワン企業として注目を集めている。
製品づくりの要となる高精度歯車加工技術は、部品加工の中でも、特殊な工程とされる。同社では厳しい精度を要求されるエンジンやミッションの歯車部品を製作する事で技術力を高め、より精度が厳しいレース車両用部品を大手メーカーへ供給してきた。
3D加工技術では、金属の塊から必要な部品を3Dモデルの通りに精密に削り出すことができ、鍛造素材、専用の設備が無いなどの理由で、小ロット製作を諦めていた部品や多額の費用と日数をかけて製作してきた部品を、必要な数量、必要な期間で製作する事を可能にしている。
検査・測定技術においては、高精度で複雑な部品の加工精度を保証するため、最新の測定装置による評価を実施している。また、3次元測定器、歯車試験機、真円度測定器、面粗さ・形状試験機、硬度試験機、バランス測定機、磁気探傷装置だけでなく、最新のレーザーマイクロスコープ計測器などを導入し、非接触での形状・面粗さの評価にも対応する。
単品対応に特化した設備の保有台数、対応工程の広さでは国内随一を誇る同社。自動車用ミッションの部品、コンロッド、クランク、フライホイール等の機械加工が社内設備で対応する事も可能だ。
高い品質を維持し、専門性の高いハイエンドの試作部品やサーキットパーツも短納期で製作。一般的な加工手順に縛られず、本来は専用の設備や治具が必要な加工を自社保有の最新の設備と汎用工具を使用し加工を行う。
”どう作るのか””どうすれば間に合うか””強度をあげるには”など、顧客が抱える部品製作の課題に、経験に基づく豊富なノウハウから提案が可能で、ひと月に450件以上、年間5000アイテム以上の部品図面を完成品につくり上げてきた。
膨大な経験とレースや特殊なテストでのみ使用される素材や熱処理の経験を、自社製品の開発で実践するとともに、顧客に新たな提案を行う。
同社の技術力の柱である高精度歯車加工技術と3D加工技術を生かし、特殊な歯車を削り出し加工で製作する技術を確立させている。
歯車の設計・製作に関わる課題に対して的確な提案ができる歯車の専門企業を目指すとともに、幅広い加工工程に対応できる”ものづくり”の技能伝承を進め、技術者の教育・育成も行うことで、欲しい時に欲しい部品を製作できる工場を維持し続ける事で、日本のものづくりを技術力で支える企業を目指している。
自社製品のEV用多段減速機は、モーターを動力とする様々な車両に採用できるよう改良を進めており、これらの減速機開発ノウハウと、自社の高精度な部品製作技術を生かして、専用減速機ユニットの設計製作事業の拡大を目指す。
株式会社繁原製作所
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代表取締役社長繁原 秀孝
- 住所/〒578-0973東大阪市東鴻池町5丁目2-7
- TEL/072-962-8411
- FAX/072-962-8785
- 創業/昭和43年4月
- 設立/昭和56年3月
- 資本金/3,800万円
- 従業員/45人
- HPアドレス/http://www.shigehara.co.jp/